Lenovo ideapad 320S-13IKB 電源が入らない。
本日は電源が入らないLenovoのノートパソコンideapad 320S-13IKBの修理依頼です。
最近同様のご依頼が多い機種でマザーボード不良が多いです。
地元の修理店で見てもらったところマザーボード交換で10万円の見積もりを提示されて修理を諦めていたとの事。
ネットで当店を知りダメもとでご依頼頂きました。
昔のマザーボードは、CPUを取り外せるタイプだったので、マザーボード交換した場合、マザーボードのみの料金で交換ができました。
しかし今のマザーボードはCPUも実装されてしまっていますので、マザーボードのみ交換はできません。
今回のようにマザーボードの破損で交換が必要になった場合は、マザーボードとCPUの両方交換となりますので、メーカー修理等で交換料金が10万円を超えるケースがあるのはそのためです。
修理料金のことを考えると、今まで以上にマザーボードの交換ではなく修理の重要性が増しているように思われます。
依頼書の内容としましては、使用中に、突然電源が落ちてしまい、それ以降全く通電しないとの事です。
電源ボタンを押してもランプは点灯しません。
充電ランプも点灯無し。
念の為、ACアダプタの電圧をチェック。
経緯からすると、マザーボードの内部ショートが起こっている可能性が高いです。
安定化電源に接続しても一切通電していないことがわかりますし安定化電源でも当然電源も入りません。
この場合20Vラインでショートしている、もしくは20Vラインのかなり早い段階で電圧がカットされている可能性が高いです。
早速分解して確認してみます。
取り合えずマザーボードを露出させて20Vラインの電圧をチェック。
やはり電圧が全く出ていません。
マザーボードを取り出して詳細にチェック。
まずは20Vラインとグランド間の抵抗を順に調べていきます。
DCジャックからの一番目のmosfetをチェック。
右が1番目のmosfetです。
入力のドレインはまではショート無し。
出力側のソースもショートは無し。
しかし2番目のmosfetの出力側から一気に8.1Ωまで抵抗値が下がってしまっています。
その先の抵抗を抜けるとさらに2.9Ωまで低下。
結果はやはりこの先のどこかでショートしてしまっています。
電源が入らない原因はこれです。
次に目視で破損したチップがないか確認します。
拡大して見てみましたが、目視では破損チップなど見つけられませんでした。
この場合、20Vラインとグランドの間に低電圧を流して発熱箇所を探します。
ショートとしているチップがある場合は若干の抵抗が残りますのでそこで発熱。結果破損したチップはそれで分かります。
念のため、20Vラインから他のラインにショートしていないか、各ラインの抵抗値と20Vラインの抵抗値を比較します。
もし、他のラインへショートしている場合は、電圧をかけると、そのラインのICも壊してしまう可能性もあります。
特にCPUのラインは元々抵抗値がかなり低いので間違って電圧をかけるとCPUも破損させてしまう可能性があります。
抵抗値を測定した結果、CPUラインは10Ωと低いですが2.9Ωほどではないので既定の抵抗値と思われます。
どうやら他の電圧ラインへショートしているわけではなさそうです。
となると抵抗値からすると20Vラインとグランドに直接またがっているバイパスコンデンサがショートしてしまっている可能性が高そうです。
そこで20Vラインとグランドの間に低電圧をかけます。
すると、微妙に発熱している箇所を発見。
周辺を調べてみると20Vラインのバイパスコンデンサが複数あります。
IPAを付けて気化反応を見てみるとコンデンサーが発熱してることがわかりました。
上からはクラック痕などは確認出来ませんが、これがショートしたコンデンサのようです。
早速取り外して調べてみます。
問題のコンデンサを外すと20Vラインのショートが収まりました。
これが原因で通電しなかったようです。
同じラインの正常なコンデンサを外し容量を測定。
在庫の同じ規格のコンデンサに交換。
仮組みで電源を入れると無事通電し、BIOSも起動してくれました。
念のため、同じラインのコンデンサも複数交換します。
理由は同じ20Vラインなので、同じだけ劣化しています。
ショートしたコンデンサーだけ交換した場合は、他のコンデンサもすぐにショートして再発してしまう可能性があるからです。
交換を終えると再度組み上げて改めて電源オン。
無事Windowsも起動しデータも無事のようです。
最近、この世代のマザーボードのコンデンサも壊れるケースが多くなっています。
当店ではメーカーや他の修理店でもやらないマザーボード修理も対応しておりますので、同様のトラブルでお困りの際はご相談ください。
マザーボード修理 23,000円(部品代、税込) ※修理作業当時の価格となります。
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