MINISFORUM UM560 電源が入らない。マザーボード修理。
本日は電源の入らないミニPC MINIS FORUMU UM560修理のご依頼です。
東京都よりお送り頂きました。
事前のお問い合わせ時にお近くの複数の修理店で見てもらったところマザーボード不良が原因との事。
ただ香港のメーカーで修理依頼も出来ず、マザーボード自体も入手不可の為修理出来ないと断られたそうです。
この手の海外メーカーではよくあるので当店へのお問い合わせも多いです。
当店でもマザーボードの交換は出来ませんがマザーボード修理が可能な場合もあります。
お客様はネットでお調べ頂いてご依頼頂きました。
この時は初見の修理でしたが最近は全く同じ機種の修理依頼が続いています。
破損ICはコンデンサやダイオードなどと異なりますが全てマザーボード不良です。
購入後まだ2年ほどとの事なのでマザーボードの耐久性に問題がある機種なのかもしれません。
似た症状で電源ランプが点灯してすぐに落ちてしまうケースもあります。これもマザーボードが原因ですが少し内容が違いますのでリンクを参考にして下さい。
このUM560以外にも色んな機種でマザーボード不良が原因で突然起動しなくなるケースがあります。
早速今回のPCの症状を確認。
PD電源で電圧を測定。
主電圧は不明ですが5Vしか出ていません。
しかもアンペアは全く出ていません。
早速分解してマザーボードをチェックします。
SSDの下にWifiカードがあります。
Wifiカードやメモリを外しても改善しませんのでやはりマザーボードの不良のようです。
早速マザーボードをチェック。
一番怪しい主電圧ラインのショートを確認。
特にショートは無さそうです。
電圧をたどると1st mosfetまでは5V入力されていますが2nd mosfet以降電圧が出ていません。
PDコントローラーの不良の可能性もあります。
外見は問題無さそう。
周辺のコンデンサなど調べましたがショートなどは無し。
電圧も来てそうなので取り合えず原因切り分けの為、PDコントローラーを交換します。
在庫はありませんので新しいPDコントローラーを手配。
数週間かかりましたが無事入荷。
早速交換してみます。
しかし状況は全く変わらず。
5Vのままで電圧は出てくれません。
PDコントローラーの問題では無さそう。
改めて各ICの外観をチェックしてみると
焼けてクレーターが出来ているICを発見。
どうやらダイオードのようです。
一度チェックしていましたが見落としていたようです。
入力電圧は5V。
しかし出力電圧は0Vです。
ダイオードの先の抵抗をチェック。
この先でショートしているようです。
ショートが原因でダイオードが焼けてしまったようです。
※その後、別の修理で判明しまいしましたがここのラインはPD電源のみで使用されている20Vのラインでした。
通常の20Vラインでショート反応が無かったのはその為だったのかと思います。
この先につながるのは隣の保護IC。
上3本の端子の一番右の端子に繋がっています。
低電圧をかけると発熱しています。
真ん中のピンがグランドなので内部ショートしているのかもしれません。
早速外してショートが改善するかチェック。
残念ながらショートは改善しません。
保護ICの問題ではないようです。
さらに基板の裏側をチェックすると小さなコンデンサがあります。
見た目はクラック等ありませんがこのコンデンサからもショート反応があります。
外して抵抗をチェックするとショート反応は治まりました。
このコンデンサが原因のようです。
新しいコンデンサに交換。
次に焼けたダイオードを交換しますが小さすぎて収まりそうなダイオードがありません。
幸い隣にもダイオードが配置できるスペースがありましたので斜めにして取り付けました。
ダイオード測定すると0.228v。
おそらく問題無さそうです。
しかしPD電源を接続すると一瞬20V表示しますがすぐに消えてを繰り返します。
まだどこかおかしいところがあるようです。
再度2nd mosfet以降の抵抗を測定すると初めに見られなかったショート反応があります。
電圧をかけてショート個所を特定。
CPUライン付近のコンデンサがショートしているようです。
20V電圧が復帰してショートしてしまったのでしょうか?
さらに新しいコンデンサに交換。
再度電源を接続するとまた別のコンデンサがショートしてしまいました。
さすがにおかしいような気が。。。
もしかしたら20VラインとCPUラインで繋がっているドライバmosfetの一体型ICがショートしているのかもしれません。
ただCPUラインの抵抗とショートした20Vラインの抵抗値は同じではない事は確認しています。
念のため3個ありますので1個づつ外してショートが解消するかチェックします。
結果すべて外してもショートは改善せず。
やはりショートしたコンデンサは20Vラインのコンデンサのようです。
通常のコンデンサよりかなり小さいので耐性に問題があるコンデンサかもしれません。
同じ電圧を同じ期間当てられていますので同じように劣化しています。
3度目の正直でコンデンサを交換し今度はPD電源をいきなり繋がず2nd mosfetから安定化電源で徐々に電圧を上げていきます。
すると10Vほど上げたところで一気に0.8アンペアまで上昇。
一瞬またショートしたかと思いましたがCPUが発熱。
電圧を測定すると1V。
5Vや3.3V、メモリ電圧も出力されていますのでどうやら起動しているっぽい。
PD電源に接続すると今度はしっかり20V出ています。
全て戻して起動確認。
無事Windowsも起動しました。
その後念の為、数日CPUやメモリなどへ負荷テストを行いました。
今度はショートなど発生せず無事起動しています。
この機種はコンデンサが脆弱なようで交換しても復帰後すぐに他のコンデンサがショートしてしまう可能性があります。
確かに20Vのラインのコンデンサとしては非常に小さいです。
通常のコンデンサは耐圧50Vほどですが、この機種に使われているコンデンサはせいぜい25Vほどかと思われます。
20Vラインなので問題ないと言われれば問題ないのですが通常の物よりは耐圧は低そうです。
修理完了後も再発がないか十分に負荷テストが必要です。
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