Inspiron 15 5583 P86F DVDドライブを接続すると電源が入らない。
本日は電源が入らないDELLのノートパソコンInspiron 15 5583 P86Fです。
ご来店前のお問い合わせでは、他の修理店2店舗で見てもらい1店舗では分解し、バッテリーを外して放電しても改善しないので、おそらくマザーボード不良と診断で修理不可とのこと。
もう1店舗も同様に診断の結果マザーボード不良で修理は可能かもしれませんが、県外の他の店舗に依頼する為出してみないと修理料金がわからないとの事。
ただ概算で50,000円程は見ていて欲しいとの事です。
両方ともマザーボード不良との診断です。
当店ではマザーボード修理も行っている為ご依頼頂きました。
実際に見てみると電源ランプすら一切入りません。
詳しくお聞きすると、Windowsのアップデートの途中で電源が突然切れてしまいそれ以降電源が入らないとの事。
おそらくマザーボード上の何かしらのICがショートしてしまった可能性が高いです。
特にコンデンサ等はWindowsアップデート中は、消費電力が高くなりますのでそのタイミングでショートしやすいです。
安定化電源で20Vを流してみるとアンペアがMAXで電圧も一気に4V程度まで下がってしまっています。
マザーボード不良で原因は内部のショート故障で間違いなさそうです。
マザーボード交換ではなくマザーボード修理をご希望なので修理可能かどうかは実際に分解しショートしたICを調べてみないと分かりません。
修理可能な場合の料金をお見積もりしご了解いただけたのでお預かりいたしました。
早速分解してマザーボードをチェック。
19Vラインを探して抵抗値を調べてみるとやはり19Vラインのどこかでショートしているようです。
そしてすぐに怪しいコンデンサを発見。
拡大してみると、やはり上部にクラックが入っております。
抵抗値を測定するとやはりショートしてしまっています。
このコンデンサが原因のようです。
一度コンデンサを外して抵抗チェック。
するとショートが無事治まりました。
新しいコンデンサに交換し、念のため他のコンデンサも併せて交換します。
仮組みで接続し電源を入れてみると無事通電しWindowsも起動いたしました。
通常であればすべて戻して修理完了なのですが、実は簡単には終わりませんでした。
全て元に戻して電源を入れようとしても、全く電源が入りません。
バッテリーの充電ランプも点灯しておりません。
また新たなコンデンサがショートしたのかと思い再度安定化電源で20Vかけてみると、今度はショート反応はありません。
ただmosfetが開いてないだけの可能性もありますので再度マザーボードをチェック。
やはり19Vラインは一切ショートしていません。
一度バッテリーを外し放電してみると、電源が入るようになりました。
たまたまかと思いもう一度すべて元に戻すとやはり電源が入りません。
ケースを閉めた時点で、ケースとICがショートとしているのかと思い詳しく見てみますが、筐体の変形などもありませんし、ICの浮きもありません。
試しにケースだけを戻して、DVDドライブを入れずに電源を入れてみると問題なく電源は入ります。
もしかしてDVDドライブの不良かと思い別のDVDドライブを装着しましたがやはり電源は入りません。
さらにこうなると一度バッテリーを外して放電しないと電源は入りません。
もう一度マザーボードをチェックし、電源が入らない状態の電圧をチェックすると、どうやら3.3Vが消失してしまっているようです。
マザーボードのDVDドライブラインに何か不具合があるのかテスターでチェックしてみましたが、特に問題が見つかりません。
不思議なことにケースを戻さずに、DVDドライブを接続すると問題なく電源は入ります。
ドライブもしっかり認識します。
DVDドライブ交換したりバッテリー交換したりケースを絶縁処理したりしましたが改善されません。
原因が全く分かりません。
ただいろいろ試してみると、どうやらDVDドライブをマザーボードのスロットに差し込まなくてもある程度差し込んだ時点で電源が入らなくなることが判明いたしました。
となるとマザーボードやDVDドライブの不具合ではなくやはりどこかに干渉して電源が入らなくなるようです。
もしかしたら内部でケーブルなどを干渉してショートしているのかもしれません。
ケースを閉じてスロット内部を見てみましたが干渉しそうなものは見当たりません。
しかし改めて詳しく見てみると、ちょうどDVDスロット上部にある電源スイッチボードのフレンキケーブルの皮膜が削れてパターンがむき出しになっているのが見つかりました。
やっと見つけました。
原因特定するのに丸一日かかりましたがおそらくこれが原因と思われます。
DVDドライブのボディーは導通していますので、ケースを閉めてDVDドライブを差し込むことで、接触しショートしてしまっているようです。
電源ラインの電圧は3.3Vなのでショートして3.3Vが消失してしまうのでしょう。
この機種に限らずですが、DVDドライブやケースをはめる場合にフレキケーブルが干渉してしまう場合があります。
少しでも抵抗を感じたら、必ず何かに干渉していますので一度取り外して干渉しないように慎重に差し込む必要があります。
無理矢理差し込むと今回のようにケーブルを破損してしまう可能性があります。
マザーボードがショート故障するまでは問題なく使われていたので故障後にケーブルを破損させたものと思われます。
何件か修理を店を回っている時に破損してしまったのでしょうね。
しかし今回のようなケースは初めてです。
このフレキケーブルは、スイッチボードと直接ハンダされてますので簡単に交換と言うわけにはいきません。
ただ今回は幸いにも皮膜は剥がれておりましたが、パターン自体は無傷だったので、絶縁テープで絶縁して無事修復することができました。
IPAで削れたフレキケーブルを清掃。
絶縁テープで絶縁します。
全て戻し今度こそ修理完了。
後はコンデンサのショート等再発がないかCPUとメモリの負荷テストを実行し問題なさそう。
メモリとSSDのチェックも行い問題ありませんので修理完了です。
マザーボード修理、フレキケーブル修復 25,000円(部品代、税込) ※修理作業当時の価格となります。
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